「長野賞受賞論文には、『財務省外国資産管理室による経済制裁は、米国に所在する金融機関だけでなく在米支店を有する非米国系金融機関に対して凍結義務を課すことにより適用範囲を広く解釈している。このため、営業拠点が米国に所在しない金融機関であっても、米ドル建て決済取引を扱う金融機関は本規則の適用を受けることになる。 このように、非米国系金融機関に対しては、米国の域外適用により米ドル取引、ならびに米国が関与する取引が禁止されているが、非米国系金融機関が米財務省外国資産管理室による経済制裁に協力せざるを得ない理由が、違反した場合に高額な罰金が科せられる事である』という説明があります。」

「『域外適用』と言いますと?」と町会長。

「日本の法律は、属地主義と言って、法の適用範囲が自国領域内に限定されますが、国家が自国の法令を外国にまで適用することを『域外適用』と言います。」

「例えば、米国の財務省による中国のドル建て決済の停止命令が出されているとき、在米支店がある日本国内の銀行が中国とドル建て決済をすると、『域外適用』で高額な罰金が科せられるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「罰金を払わなければ、ドル建て決済ができなくなってしまうということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、在米支店がある非米国系金融機関は、ドル建て決済しようとする場合、あらかじめ中国系の決済が含まれているかどうかをチェックするシステムを構築しなければならなくなるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。米国の外国資産管理法に基づいて、制裁対象となる団体や個人がSDN(Specially Designated Nationals and blocked Persons)リストとして公表され、毎日更新されているので、ドル建て決済をしなければならない銀行は、毎日、SDNリストをチェックしているはずです。」

「リストが、毎日、更新されるのでは、銀行も大変ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。例えば、制裁の対象が会社だと、その会社の役員も制裁の対象になるので、専門の調査員を置いておかないと対応できないのではないでしょうか。」

「後から、知らなかったと言っても、制裁を免れることはできないのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。フランスに、ソシエテ・ジェネラルというメガバンクがあるのですが、約60億円の制裁金を支払ったという記事がウェブ上にありました。」

「フランスのメガバンクも、米国の法律に従わなければならないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。BISによる2019年の調査だと、ドルの取引高は44.2パーセント、ユーロの取引高は16.2パーセントです。ソシエテ・ジェネラルは60億円制裁金を支払っても、ドルの決済をしたいということですね。」

「『BIS』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアの『国際決済銀行』に、『国際決済銀行(英語:Bank for International Settlements、略称: BIS)は、1930年に設立された中央銀行相互の決済をする組織』という説明があります。」

「日本の日銀にあたるような世界各国の中央銀行が、決裁をする組織なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「長野賞受賞論文には、『マネー・ローンダリングを行う者にとってコルレス口座は利用しやすい構造となっており、金融機関が非合法行為と関係する取引を発見し、未然に取引を阻止することは困難である』と書いてあるということでしたが、ユーロの取引高は16.2パーセントもあるのに、フランスのメガバンクが、米国の法律に従わなければならない状態になっているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。米国は、北朝鮮やイランに対する金融制裁などを通して、どのようにすれば中国の経済に大きな打撃を与えることができるのかということを研究して来ているので、フランスのメガバンクも米国の法律に従わなければならない状態になってしまっているのです。」

「なるほど。GNPが最大の国が最強の軍事力を持つという歴史的な事実を考えれば、中国の経済を崩壊させない限り、キリスト教的な考え方の延長上にある、民主的な世界を守れないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。それで、どうにもならないようであれば、核戦争は避けられないと推定しています。」

「米国は宗教国家だからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。米国は、軍事力と経済力によって、キリスト教的な考え方の延長上にある、民主的な世界を守らなけばならないという結論に達しているのだと推定しています。」

「米国は、キリスト教的な考え方の延長上にある、民主的な世界を守るということが、神から課せられた使命だと考えているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/9/22

<筆者の一言>
薬のように、毎日同じものを1日に決まった回数飲んでいると、最後に飲んだのがいつだったか思い出すのが難しい。他のことなら覚えていても、毎日飲む薬を『いつ飲んだか』思い出すのは難しいのだ。記憶力の低下で最初にやられるのが、この部分かも知れない。商人系の92歳の叔母も、最後に数えた薬の数は覚えているのに、今日薬を飲んだか、飲まないかが分からなくなってしまっている。

なぜ、難しいかというと毎日飲んでいるので、飲んだ記憶が鮮明にあるからだ。薬を飲んだことが1度もない人が、今日飲んだか飲まないかを思い出すのはやさしい。記憶があるかないかだけの問題だからだ。毎日飲んでいる薬では、飲んでいる時にいつもと違うことが起きないと『いつ飲んだか』が分からなくなってしまう。<続く>

<ムクドリ102>
翌日もイエスズメは静かにしていた。翌々日の8月14日になると、ハクセキレイが数羽が『チチ チチ』と鳴きながら、裏の栗林の中を歩いて餌を食べていた。ハクセキレイはまだ生き残っていたが、表の庭には、おもちゃの鷲がいるので来なかったのだ。もしかしたら、隣の庭で餌をついばんでいたのかも知れない。

裏庭に来なかったのは、イエスズメに追い払われるためだ。しかし、今日は、イエスズメが意地悪をしないようだ。イエスズメは、静止に近い状態で飛ぶ技術を身に着けたので、『ミーンミーン ミンミン』と鳴くミンミンゼミを取ることができるようになり、夢中になっているようだ。ミンミンゼミは防風林でもうるさく鳴いていたので、イエスズメの防風林の中を移動する技術が向上した結果、ミンミンゼミを取ることができるようになったと推定される。

ミンミンゼミは7月の終わりには、うるさく鳴いていた。ミンミンゼミが静かになった8月の10日頃にミンミンゼミが捕獲できるようになったようだ。イエスズメが静かにしているのは、『静かにしていないとミンミンゼミが防風林に来ない』と考えているからだと推定している。

ということは、イエスズメが防風林で大きな声で鳴くのは、普通のスズメやハクセキレイなどに、『ここはイエスズメのテリトリーだ』と主張するためでもあるのだろう。おもちゃの鷲に鳥を寄せつけない効果があるのも、鷲の声がいつも流れているために違いない。<続く>

2023/9/5